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2009 年度 実績報告書

金属文化財の微生物による変質と劣化

研究課題

研究課題/領域番号 21650234
研究機関大阪府立大学

研究代表者

横田 勝  大阪府立大学, 工学研究科, 客員研究員 (10029225)

研究分担者 小西 康裕  大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (90167403)
荻 崇  大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (30508809)
キーワード金属文化財 / 変質と劣化 / 微生物 / DNA / 金属還元細菌 / Schewanella algae / 銅(Cu) / mineralization
研究概要

金属文化財が微生物により変質・劣化する報告例は無いとされてきた(Orio Ciferri: Reviews in Conservation, No. 3, (2002)35-45).我々は,長年月土中に埋没していた古代青銅鏡内に形成された複雑な化合物からなる腐食・変質層内に青銅鏡の原料である純銅塊が析出している点に注目した,これが微生物の仕業によるものと推察し,金属還元細菌Shewanella algaeによるCu_2Oのmineralizationに関する実験と研究を行った.推察した通り,この微生物を用いた実験によりCu20から純銅に還元される(mineral ization)現象を確認した.Orio Ciferri氏が予想し,アドバイスを受けた通り,実験開始から現在に至るまでには長時間を要したが,現在これを追試験により検証中である.なお,我々は古代青銅鏡の変質層内から採取した試料のDNA解析により数種類の微生物も検出しており,これら微生物の一部では金属を腐食させるものも見出しており,青銅合金に対する微生物による腐食実験を行っている.
微生物によるCu化合物またはCuイオンのmineralizationに関する研究報告は今だ報告例は無く,我々の研究が斯界では初めてではないかと自負している.微生物によるCuの直接製錬,Cuのナノサイズ粒子の作製など工業的な面からも意義が有るものと判断される.
本年度で得られた成果については,次年度の早い時期に学会にて口頭発表と論文発表を予定している.

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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