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2009 年度 実績報告書

ゲル状態変化を用いた含水保存処理法の新規開発

研究課題

研究課題/領域番号 21650235
研究機関(財)元興寺文化財研究所

研究代表者

山田 卓司  (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (30435903)

キーワード保存科学 / 自己組織化 / ヒドロゲル
研究概要

発掘された木製の遺物(以下、出土木製品とする)は、埋蔵中に木材成分が減少し、大量の水を含んだ状態で出土する。水の蒸発に伴い収縮・ねじれ・割れ等の変形が生じ、そのままでは展示や研究資料等に利用できない。そのため、出土木製品から水を除く保存処理と補強のため常温で固まる薬品を浸透させる保存処理が行われる。しかし、従来の保存処理には、劣化の進んだ出土木製品の処理で変形が生じるなど解決されていない問題も多い。特に出土木製品の変形は、水の40%以上が薬品に置き換わった時に発生しやすい。そこで、水を薬品に置き換えるのでなく、水を取り込んだままの新たな出土木製品の保存処理方法構築を検討した。
水を取り込んだままの保存処理を行うための低分子ゲル化を合成し、3cm辺の立方体に作成したアカガシの試験片を使用し、実験を行った。アカガシは平均含水率300%の出土自然木を使用した。
2%の低分子ゲル化剤を用いることで試験片が浸透した水溶液をゲル化させることに成功した。ゲル化実験により、試験片の存在でゲル化速度が低下することを明らかとした。試験片へのゲル化剤の浸透が少ないため、水分の蒸発とともに試験片の変形・収縮が発生することを確認した。また、ゲル化剤の開発者より保存処理に適するゲル化剤の助言を得て、2種類のゲル化剤について物性を検討した。低分子ゲル化剤の使用濃度を上げるため、合成委託業者と合成経路の検討を行い、低分子ゲル化剤の大量合成準備を行った。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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