1、画像処理による野鳥の種類識別とカウント方法 動画像中から野鳥を抽出する方法については、勾配法にLucas-Kanade法を用いてエッジ検出を行い、さらに画像ピラミッドを適用することにより精度を上げ、処理時間を削減することができた。種類識別については各画素の色をHS平面上に投影してその中心部分を用いて特徴量を作成し、ニューラルネットワークにて識別する方法を開発した。90%程度の識別率が得られた。 2、音声情報処理による野鳥の種類識別方法 長時間の録音データから鳥の鳴き声を抽出する方法として、隠れマルコフモデル(HMM)を利用した方法を新たに開発した。種ごとに適切なHMMモデルが存在し、4状態Left-Rightモデルや3状態エルゴディックモデルを種ごとに選ぶことにより識別率が向上した。また、使用する特徴量を適切に選択し、周波数帯域を制限することによっても識別率が向上し、80%程度の識別率を得た。さらに、野鳥の声紋により種を同定する方法を提案し、論文にした。 3、移動経路追跡のためのGPSとZigBee無線モジュールを組み合わせたシステム開発 野生動物に装着してその位置を送信するGPSテレメトリ端末とZigBeeモジュールを用いた無線ネットワークにおいて、省電力化により電池重量を軽減した。判別分析を用いたGPS受信機の測位環境予測アルゴリズムを提案し、測位1回当りの起動時間を短縮することができた。また、ホットスタート予測アルゴリズムを開発し、省電力にできる最適な測位間隔を使用する環境条件ごとに求めることができるようになった。
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