• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

ウラン同位体比を指標とした風送塵の起源を同定する新規手法の検証

研究課題

研究課題/領域番号 21651008
研究機関上智大学

研究代表者

木川田 喜一  上智大学, 理工学部, 准教授 (30286760)

キーワード風送塵 / ウラン同位体比 / 大気降下物
研究概要

日本に飛来する黄砂の起源の一つと考えられているモンゴルの乾燥地帯に着目し,モンゴル全土から採取された表層土壌試料のウラン同位体比を求めた.分析は酸可溶性部分と酸不溶性部分とに分けて行った.この結果,酸可溶性部分のU-235/U-238比が天然比に対して有意に高い試料が見出された.酸不溶性部分は天然比に等しいことから,モンゴルの表層土壌に含まれる濃縮ウランは二次的に付加されたものであると考えられた.天然におけるU-235/U-238比の変動は無視できるほど小さいので,天然と異なるウラン同位体比は人為的な核活動に由来する.モンゴル表層土壌中の濃縮ウランは,その西方に位置する中国のロプノール核実験場,あるいは旧ソ連のセミパラチンスク核実験場から飛来した核実験フォールアウトである可能性が高い.したがってユーラシア大陸の表層土壌が核実験により広範囲に汚染されている可能性が示された.一方,日本国内の大気降下物中にも濃縮ウランが見出されているが,この場合は酸不溶性部分に見出されており,酸可溶性部分は天然比である.したがって国内の大気降下物に含まれる濃縮ウランの起源を直接的にモンゴルの表層土壌に求めることはで去かい.
国内に輸送される風送塵の由来を知る上で,ウラン同位体比とともに着目しているストロンチウム同位体比については,同位体比を測定する上で必要な,土壌試料ならびに大気降下物試料からのストロンチウムの単離手法の検討を行った.ウラン選択性樹脂とストロンチウム選択性樹脂を併用して,一つの試料溶液からウランとストロンチウムをそれぞれ単離するスキームをほぼ確立するに至ったが,実試料でのストロンチウム同位体比の測定にはまだ至っていない.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Origin of enriched uranium contained in Japanese atmospheric deposits2009

    • 著者名/発表者名
      木川田喜一
    • 学会等名
      The fourth international conference in the series of Asia-Pacific Symposium on Radiochemistry
    • 発表場所
      Napa, California, USA
    • 年月日
      2009-11-30

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi