研究課題
1. 正常マウス(ICR/jclマウス、8週齢)での成果(1) 狭心症治療薬の毒性試験:昨年度放射線防護効果の認められた薬剤について、体内での希釈後30μMとなるように4回(30μM/日、24時間間隔で3日間連続および7日目)腹腔内投与後飼育し経過観察したが、死亡するマウスは認められなかった。(2) 狭心症治療薬のX線障害防護能:X線6.5Gy照射時のICR/jclマウスの生存率は約30~40%であるが、昨年度放射線防護効果の認められた薬剤を体内での希釈後30μMとなるように、照射直後、照射から24および48時間後、および照射から7日目の計4回投与した場合、生存率を約80%にまで回復させることを確認した。(3) X線を照射後14日目に末梢血を採取し、血球成分を調べた結果、照射のみを施したマウスに比して、(2)において生存率を回復させた薬剤を投与したマウスでは、造血系細胞数および免疫系細胞数が優位に高値を示し、放射線障害を受けた造血系および免疫系の回復促進が放射線防護能の一因であることが示唆された。(4) 狭心症治療薬の中性子線障害防護能:中性子線3.5Gy照射時のICR/jclマウスの生存率は約40%であったが、X線障害の防護効果の認められた薬剤を体内での希釈後30μMとなるように、照射直後、照射から24および48時間後、および7日後の計4回投与した場合、生存率を上昇させるには至らなかった。中性子線照射後にこの薬剤を投与すると、X線照射後よりも低体温をきたし、薬剤の効果は得られなかった。来年度、更なる実験が必要と考えられる。
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