研究課題/領域番号 |
21651021
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯田 敏行 大阪大学, 工学研究科, 教授 (60115988)
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研究分担者 |
加藤 裕史 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (40224547)
佐藤 文信 大阪大学, 工学研究科, 助教 (40332746)
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キーワード | 放射線応答細胞チップ / 細胞放射線影響 / アルファ粒子 / 中性子 |
研究概要 |
本研究課題"放射線応答細胞チップの開発"では、細胞放射線影響研究のために、マイクロ加工技術を用いた放射線応答細胞チップの開発を行う。細胞チップ上には、マイクロ加工技術によって細胞外マトリックスパターンが形成され、細胞が人工的に配列されている。また、小型の中性子源^<241>Am-Beと黒鉛パイル中性子減速材を用いて熱中性子核反応^<10>B+n→^7Li+α(質量数10のホウ素は他の元素に比べ反応断面積が数桁高い)により、細胞チップ内の細胞に高エネルギーアルファ粒子が照射される。細胞チップは大量生産が可能で、同時に照射実験を実施することで、高いデータ収集効率が得られる。 平成21年度では、放射線応答細胞チップに用いるための基板材料として、濃縮^<10>Bが含有する蛍光ガラス線量計材料の開発を行った。蛍光ガラス線量計材料は放射線に感度を持ち、紫外線励起によって吸収線量に比例した蛍光強度を示すため、吸収線量測定が可能である。濃縮^<11>Bが含有された蛍光ガラス線量計と組み合わせることにより、中性子とガンマ線が混在した照射場での線量測定が可能である。開発した蛍光ガラス線量計材料を中性子源^<241>Am-Beが納められた黒鉛パイル中性子減速材内に設置し、熱中性子照射を行った。中性子照射後、専用の蛍光ガラス読み取り装置を用いて蛍光強度を調べ、濃縮^<10>Bが含有する蛍光ガラス線量計材料の蛍光強度から濃縮^<11>Bの強度を差し引くことにより、中性子による吸収線量を評価した。 開発した蛍光ガラス線量計材料を基板としたHeLa細胞の培養試験を行い、細胞成長などを数日間観察し、大きな問題点は見つからなかった。
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