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2010 年度 実績報告書

ビスフェノールAの周産期曝露が老化ラットの運動機能におよぼす影響についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 21651025
研究機関地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)

研究代表者

新海 正  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (10154387)

キーワード老化 / ラット / 内分泌かく乱物質 / ビスフェノールA / 運動
研究概要

ビスフェノールA(BPA)はエストロゲン様作用を持つ化学物質であることが知られているが,同時に甲状腺ホルモン様作用を持つことも報告されている.この甲状腺ホルモンは形態形成を制御する重要なホルモンであり,動物の発生・成長には不可欠である。ところで,内分泌撹乱作用のあるビスフェノールAのヒトの胎児期や新生児期での曝露が,その後の中年齢者や高齢者へのどのような影響があるのかについては,いまだ不明である.そこで,実験動物としてラットを用い,周産期でのビスフェノールA曝露が中齢期,老齢期になったラットの機能にどのような影響を与えるのかについて,形態学的ならびに生理学的に解析することを主目的として研究を継続している.さらに,得られた結果をもとに,加齢に伴うヒトの機能障害とBPA曝露との関連について検討する.
実験にはWistarラットを用いている.すべての実験動物(<1>BPA低用量曝露群,<2>BPA高用量曝露群,<3>対照群)は,東京都健康長寿医療センター・東京都老人総合研究所・実験動物施設のSPF環境にて厳密に管理された条件下で飼育し,現在も継続中である.今回は低用量曝露,高用量曝露,無処理の中齢期(12-13ヶ月齢)ラットを,雄雌各6匹ずつ使用し,体重,甲状腺ホルモン,生殖腺ホルモンについて検討した.
体重は曝露群と無処理群との間では変化は認められなかった.しかし,雌の曝露群で乳腺腫瘍の発生増加が認められ,これが体重に影響を与えている可能性も考えられる,甲状腺ホルモン量は,曝露群の雄では増加傾向であったのに対し,雌では逆に減少傾向を示した.この雌雄間での違いについては検討中である.血中テストステロンとエストロゲンはともに減少傾向がみられ,BPAの周産期曝露による生殖機能への影響が示唆される.今後,BPA曝露による老齢ラットの変化についての解析を進め,それらを基にヒトへの影響について考察する.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] 自然発生矮小ラットの寿命延長と代謝との関わり2010

    • 著者名/発表者名
      新海正
    • 雑誌名

      消化と吸収

      巻: 33 ページ: 281-285

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Involvement of murine B-1, 4-galactosyltransferase V in lactosylceramide biosynthesis.2010

    • 著者名/発表者名
      Kumagai, T., Shinkai, T., et al.
    • 雑誌名

      Glycoconj.J.

      巻: 27 ページ: 685-695

    • 査読あり
  • [学会発表] 過重力によって生じたアフリカツメガエル初期胚の頭部形成異常の解析II2011

    • 著者名/発表者名
      柳沢誠, 新海正, 他
    • 学会等名
      宇宙利用シンポジウム(第27)回)
    • 発表場所
      JAXA(神奈川)
    • 年月日
      20110124-20110125
  • [学会発表] Longevity and metabolism of spontaneous dwarf rat(SDR)2010

    • 著者名/発表者名
      Shinkai, T.
    • 学会等名
      63th Annual Science Meeting, GSA
    • 発表場所
      New Orleans, LA, U.S.A.
    • 年月日
      20101119-20101123
  • [学会発表] 自然発症矮小ラットの寿命延長と代謝との関わり2010

    • 著者名/発表者名
      新海正,野本茂樹,神山佳子
    • 学会等名
      第18回日本消化器関連学会週間
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20101013-16
  • [学会発表] 異なった温度環境における自然派生媛小ラットの代謝の変化2010

    • 著者名/発表者名
      新海正, 野本茂樹, 他
    • 学会等名
      日本動物学会第81回大会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      20100923-20100925
  • [学会発表] 遇重力環境下でのニシツメガエル脳下垂体-甲状腺系の機能低下に対する甲状腺ホルモンの投与効果2010

    • 著者名/発表者名
      新海正, 柏木啓子, 他
    • 学会等名
      日本下垂体研究会第25回学術集会
    • 発表場所
      伊良湖(愛知)
    • 年月日
      20100819-20100821
  • [学会発表] 自然発症矮小ラットの寿命延長と代謝との関係2010

    • 著者名/発表者名
      新海正, 野本茂樹, 他
    • 学会等名
      日本基礎老化学会第33回大会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20100617-20100618
  • [学会発表] 活性酸素の生成とエネルギー代謝の関係2010

    • 著者名/発表者名
      佐々木徹, 新海正, 他
    • 学会等名
      日本基礎老化学会第33回大会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20100617-20100618
  • [学会発表] Longevity and metabolism of spontaneous dwarf rat(SDR)2010

    • 著者名/発表者名
      Shinkai, T.
    • 学会等名
      The Science Meeting at Pennington Biomedical Research Center
    • 発表場所
      LSU, LA, U.S.A.
    • 年月日
      2010-11-17

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公開日: 2012-07-19  

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