| 研究概要 |
我が国では800万トン以上の放置竹林が存在し,森林資源の劣化に伴う地球温暖化防止機能の低下などが問題視されている.竹資源の有効活用を目指し,「石油,石炭,木材」といった主要資源枯渇化に対する新技術創出が本研究目的である.特に,放竹林問題の解決として竹炭製造技術に基づく竹のバイオエタノール化ならびに緑化資材の実現による竹資源の有効活用を目指し,研究を遂行した
まず,竹を繊維形状として扱い複合化する事による緑化資材を考え,使用済み繊維(故繊維)ならびに熱可塑性樹脂を用いて複合化した試験片の作成を行い,機械的強度ならびに微視的界面組織観察を実施した.剛性・強度を向上するために金属細線をネット状にした構造とその最適積層配置構造を提案し,実験ならびにFEM解析により評価した.その成果の一部について学会発表にて報告した
また,生分解性樹脂との組み合わせにより環境対応型緑化材の作成を目指し,竹繊維・故繊維・生分解性樹脂からなる複合材料試験片の開発を行い,緑化資材成形のための新技術創成のための基礎的知見を得た
さらに,竹炭製造技術により発生する竹酢液に着目し,竹酢液からエタノール化への物質変容を進めるべく,放射線の照射による物質変容を提案し,種々の放射線量を変えた竹酢液を作成して,成分変化を調査した.さらに,チップ状に粉砕した竹炭を用いてフィルターとしての機能を付与する物質変容試験にも着手しており,次年度継続して成分変化の調査を行う予定である
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