研究概要 |
〔1〕野生からの増殖性・重油生産性に優れにBotryococcus braunii(Bb)株の分離約10ヵ月間の寒天培養で野生採取サンプルに見られなかった増殖性の優れたBb株の分離・株化に成功した(H22年8月の日本エネルギー学会で発表予定) 〔2〕培養条件の検討 (1)適切な栄養条件、(2)適切な光量(3)適切なCO2と酸素濃度、(4)適切な培地pH制御、(5)適切な温度条件、(6)適切な換気条件、(7)培養液の適切な攪拌について検討した結果、 1)栄養条件については、これまで一般にBbの無菌培地として使われているChu13 mediumに替わる非無菌培地を開発した(H22年8月の日本エネルギー学会で発表予定) 2)光量については、通常の蛍光灯に替わり消エネタイプかつ光の直線的透過性の強いLEDを使うことで、高い光合成量を実現することに成功した。 3)CO2と酸素濃度については、培地に重層NaHCO3を加えることと5%CO2気体供給で安定したpHを実現できた。さらに酸素O2についてはO2・0%~50%まで試験し、最高の増殖速度を実現するためには酸素濃度は少なくとも10%~25%の量が必須であることを解明した。 4)温度条件については,新たに分離した新規Bb株ではこれまでの報告された25℃前後より28-31℃で最も高い増殖性・重油生産性を示した。 5)適切な換気条件と培養液の適切な攪拌については、気体(5%CO2・15%O2・80%N2)を培養液の水表面を通気する方法と培養液中にバブリングする方法を試験したところ、バブリング方式が優れて高い増殖性を示すことを明らかにした。 〔3〕重油生産と重油非生産重油生産緑藻ボツリオコッカスを用いてのSuppression subtractive hybridization法による重油生産制御遺伝子の検索 1)Suppression subtractive hybridization法(SSH法)については、これまで報告されているのSSH法に替わる新たな方法(BN-SSH法と命名)を開発し、これまでより簡便で迅速な方法を実現することに成功した(H22年12月の日本分子生物学会で発表予定) 2)さらに、新たに生物種特異的なゲノムDNA配列を選択的・特異的に分離できる新たなゲノムクローニング法「genome-SSH法」の開発に成功した(H22年12月の日本分子生物学会で発表予定)。
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