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2009 年度 実績報告書

2キュービットゲートを用いた鎖状スケーラブル量子コンピュータの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21651045
研究機関筑波大学

研究代表者

磯谷 順一  筑波大学, 大学院・図書館情報メディア研究科, 教授 (60011756)

研究分担者 谷口 尚  独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ物質ラボ, グループリーダー (80354413)
大島 武  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門・環境・産業応用研究開発ユニット, 研究主幹 (50354949)
キーワード量子情報 / スピントロニクス / 量子コンピューティング / ダイヤモンド / NVセンター / 電子スピン共鳴 / NVセンター / 同位体制御
研究概要

本研究は、「ダイヤモンド中のNVセンター(室温で初期化と単一スピン検出ができる)を鎖状に並べたスヶーラブル・室温動作の量子コンピュータの開発の前提」である、(1)核スピンをもたない同位体^<12>Cの濃縮と不純物窒素低減とにより、NVセンターのコヒーレンス時間が十分に長くできること、それにより(2)双極子双極子相互作用を用いて、2キュービットのCNOTゲートが実現できること、を実証することを目的とした。
^<12>C99.7%、不純物窒素濃度[N]=0.05ppbのCVD単結晶でNVセンターのコヒーレンス時間T_2=1.8ms(室温)が得られたのに対して、^<12>C99.97%,[N]=0.6ppmのHPHT結晶中のNVセンターではT_2=0.17msで、[N]=0.6ppmの天然存在比の結晶と同じであった。上記のCVD単結晶では成長時導入のNVセンターについてT_2が測定されているのに対して、HPHT結晶では電子線照射・熱処理を用いてNVセンターを作成している。2キュービットのCNOTゲートの実証には、イオン注人で作成したNVセンターのペアーが、長いT_2をもつような作製プロセスが不可欠である。
電子線照射やイオン注入で効率よくNVセンターを作成するとともに、コヒーレンス時間を短くする要因となる余分な欠陥を残さないために、高温の電子線照射や窒素イオン照射を行い、照射条件・熱処理条件を探索した。
^<12>C99.97%濃縮した炭素源を用いて作成したHPHT結晶において不純物窒素の低減をはかり、[N]=35ppbのものが得られた。この結晶に、単一イオン入射マイクロイオンビーム技術を用い、同一ポイント(径~1μm)に数を制御した窒素イオン(10MeV)の照射を行った。碁盤目状に打ち込んだたくさんのポイントのなかから、NVセンターのペアーを探し出すことにより、CNOTゲートに使える距離のペアーとして存在するNVセンターのT_2を長くする指針が得られると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Ultralong spin coherence time in isotopically engineered diamond2009

    • 著者名/発表者名
      G.Balasubramanian
    • 雑誌名

      Nature materials 8

      ページ: 383-387

    • 査読あり
  • [学会発表] ダイヤモンド中のNVセンターの高濃度作成とスピン緩和2010

    • 著者名/発表者名
      磯谷順一
    • 学会等名
      日本物理学会第65会年次大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      20100320-20100323
  • [学会発表] FT-ESRを用いたダイヤモンド中の窒素の高感度定量2010

    • 著者名/発表者名
      磯谷順一
    • 学会等名
      第57回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      東海大学
    • 年月日
      20100317-20100320
  • [学会発表] NVセンターの量子情報処理・磁束計への応用の課題と欠陥制御2009

    • 著者名/発表者名
      磯谷順一
    • 学会等名
      第23回ダイヤモンドシンポジウム
    • 発表場所
      千葉工業大学
    • 年月日
      20091118-20091120
  • [学会発表] ダイヤモンド中の[NV]-センターのアンサンブル系のスピン緩和:T_1,T_2^*,T_22009

    • 著者名/発表者名
      磯谷順一
    • 学会等名
      第48回電子スピンサイエンス学会年会
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      20091110-20091112

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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