ヒトの色覚では色覚色素蛋白質が赤(R)緑(G)青(B)の各光を吸収する。それらは光分解し、不安定である。その色覚色素蛋白質に類似の細菌型蛋白質が知られ、光分解せず、安定である。3量体を形成し、R光吸収体と同じ吸収極大波長(λmax)を持つものがある。蛋白質部分や補欠分子であるレチナールの類似体置換により、GB各光の吸収体ができれば、RGB各光吸収体が揃う。それら3種から成る3量体超分子(極小3原色RGBユニット)作成が本研究の目的である。NH2OH処理でレチナールを外し、レチナール再添加でホロ色素蛋白質が再構成できる。それらの条件をコントロールすることにより、3量体は均一ではなく不均一であることを見いだし、ヘテロ3量体作製の可能性を示した。さらに蛋白部分のアミノ酸を類似体に置き換え、80nm青色移動させ、G光吸収体作製にも成功した。
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