海洋付着生物フジツボのキプリス幼生がつくる幼生接着剤の原理を明らかにして、その原理を応用し、水中ですばやく働く接着剤を開発するための糸口を切り開くため、本研究を行った。その結果、1)原子間力顕微鏡を使い、水中接着剤の力学的性質をマクロで明らかにするアッセイ系を構築し、2)クレイナノシートとタンパク質の相互作用を微量で調べるアッセイ系を構築し、3) 2種類の幼生セメントタンパク質の組換えタンパク質を大量につくり、4)その内の1種57kが海洋細菌に強い抗菌活性を持つことを発見し、5)アカフジツボ幼生セメント中に親セメントcp-100kとホモロジーを持つ成分が存在する可能性を明らかにした。
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