両端に金を配置した金属ナノワイヤの形成に関して、シリコン基板上に形成した陽極酸化ナノホール、及びAl基板上に形成した陽極酸化ナノホールの双方について検討した。まず陽極酸化電圧40V、および20Vにてナノホール配列を形成し、その内部に電解めっきにより、長さ2-10μmの金/銀/金-ナノワイヤ、及び金/ニッケル/金-ナノワイヤの形成に成功した。なお、ナノワイヤをアルミナナノホールから分離するために、前者ではアルミナをアルカリ溶液中での溶解し、また後者では加熱したリン酸溶液中での溶解を行い、いずれにおいても金/メタル/金-ナノワイヤの分離に成功した。なおナノワイヤ直径は約35nmと70nmの二種類である。またナノワイヤの両端の金の部分にチオール化DNAを配置し、それによるナノワイヤ直鎖の形成に関しての検討をさらに進めている。さらに陽極酸化電圧を10V以下と小さくして、平均ホール直径を10-20nmと微細化する条件の検討も行った。 また、直径10-20nmの金ナノ粒子にチオール化DNAを配置し、塩溶液中での金ナノ粒子の直鎖形成を検討した。DNAには一本鎖のものを使用し、また互いに相補的なDNAで修飾した二種類の金ナノ粒子を溶液中で混合し、1日程度放置した結果、金ナノ粒子5-8個程度の直鎖の形成を確認した。また、サイズの異なる金ナノ粒子を交互に接続する検討も行った。今後は、金ナノ粒子をナノワイヤに置き換えて、直鎖形成を検討していく予定であり、そのためには金/メタル/金-ナノワイヤの直径を20nm以下に小さくし、また長さも400nm以下にする必要があると推測され、さらなる検討を進めている。
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