研究概要 |
病棟及び病院全体に対するリスクを最小限に抑え、在院時の診療サービス・看護サービスの質を保証するためには患者の病院・病棟内での配置の観点、つまり病床管理の観点が重要となる。在院日数短縮傾向が顕著な急性期病院では,1日当たりの医行為総量が増加していることはあきらかで,それに伴い医行為・看護行為を実施する看護師の業務負担は確実に増えている.これに対し看護人員配置が増加しているとはいえず,安全と質を保証して,医行為・看護行為が提供できる状態となっているかどうかという視点が,病床管理の視点として重要な論点のひとつとなる. そこで本研究では病棟単位で,在院している患者状態を考慮し、患者・病院にとって適切なベッドの提供及び人的・物的リソースの分配を効果的・効率的に実施するために必要な情報項目を明らかにし、方法論を確立することを目的とした。加えて,それらをもとに,医療安全と質経営を実現する病床管理思考プロセスモデルを構築した.以下を実施し,成果論文を投稿した. ・本研究への協力病院との交渉・調整 九州1病院(1000床)・関東1病院(200床) ・病床管理の現状に関するヒアリング調査 ・必要とする病床管理データ項目の抽出と,電子データ・文書データの入手 ・病床管理データの加工・現状分析 ・問題点の抽出 ・医療安全と質経営に必要とする病床管理上の要素情報の抽出とデータベースの設計 ・病床管理思考プロセスモデル基本設計 ・病床管理思考プロセスモデル詳細設計 ・病床管理思考プロセスナビゲータの設計 ・モデル検証 ・モデルを活用した標準病床管理システムの設計 ・成果発表 論文投稿・学会発表(国内・海外)
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