研究概要 |
本研究課題「イノベーティブ社会システム学における実施フェーズの理論の構築」は、安心・安全・公平・公正な社会システムの実現と、そのために必要な、「社会システムのイノベーションプロセス」の分析・創出・実現を目的とし、社会システムのイノベーションプロセスの、「実施フェーズ」を構成する「意思決定」・「合意形成」・「紛争解決」と、「設計フェーズ」を構成する「価値判断」・「評価解釈」をあわせた5つのステージとそれらの間の関連を研究対象としている。本研究課題「イノベーティブ社会システム学における実施フェーズの理論の構築」の目的は、社会ネットワーク理論と数理的意思決定理論に基づき、社会システムのイノベーションプロセスにおける実施フェーズを適切に把握・分析するための数理的理論を構築することである。 平成23年度は、平成22年度までの研究蓄積に基づき、新たな分析手法の導入、理論の修正と改善、理論の頑健性の向上と適用可能範囲の拡大を行った、また、現実の合意形成・意思決定・紛争解決についての情報収集と、構築した理論を用いた解決策の提案をおこなった,そのために、(1)さまざまな安定・均衡状態の存在性やさまざまな安定・均衡状態間の包含関係に関する一般命題の導出、(2)既存の分析結果を用いた、理論と分析ツールの妥当性の検証と精緻化、(3)現実の問題を分析による解決策を提案、という方法を用い、(1)関係分析や提携分析、ハイパーゲーム分析など新たな分析手法の導入、(2)現実の問題解決に有用な示唆の数理モデル分析を通じた獲得、をおこなった。
|