研究課題
本研究は感覚運動系技能を対象として、成功感覚を効果的に記憶・再現できる訓練方法を闘発することを目的とした研究である。近年、日本では人口の高齢化が進んでいる。この影響は、製造業にも及んでおり、2007年には日本の高度成長期を支えた団塊世代の多くの熟練技能者の退職がはじまった。そのため、多くの製造業が熟練技能者の技能をどのように企業に残していくかという「技能伝承」の問題に直面している。改正高年齢者雇用安定法が施行されたことによって、企業は雇用期間の延長や、他企業の退職者の獲得によって熟練技能の流出を一時的に防いでいるが、このような対処方法は根本的な解決にはなっておらず、本質的な技能伝承対策が必要となっている。作業というものは「知覚を使って動的に判断しながら遂行していくもの」であり、感覚運動系の作業において、作業の良し悪しは、良い製品を作る感覚(以後、成功感覚とよぶ)を知り、成功感覚を記憶し、再現できるかどうかで決まると考えられる。よって、技能伝承の根本的なアプローチとしては、良い製品を作る時に生じる成功感覚を効果的に記憶し再現できるように訓練する必要があるとのjf想から計画された研究である。2011年度の研究成果は下記の通りである・前年度までに得た成功感覚の記憶・再現の傾向に関する知見を利用した訓練システムを開発し、Eリング取付作業でその有効性を検証した。(学会発表および査読論文掲戟)上記の研究成果は上記の研究成果は技能伝承において知覚の特性を利用できる可能性を示したものである。今後の課題としてはより複雑な作業への応用があげられる。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
日本設備管理学会誌
巻: Vol.23, No.4 ページ: 192-199