研究課題/領域番号 |
21651098
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
小野 晶 神奈川大学, 工学部, 教授 (10183253)
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研究分担者 |
岡本 到 神奈川大学, 工学部, 特別助教 (40460133)
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キーワード | dioxolenone保護基 / ドラッグデリバリー / 核酸医薬 / 生体膜透過 / プロドラッグ / アミダイト法 / DNA合成 |
研究概要 |
本研究の目的は「電荷をもたない核酸のリン酸部保護体を合成し、細胞内に移行させた後、細胞内の酵素反応により保護基を除去する」という方法論を確立に目途をつけることにある。リン酸部位の保護基としてdioxolenone骨格を選択した。この保護基はエステル分解酵素により加水分解されることが知られており、抗生物質やヌクレオチドの保護基として使用された実績がある。DNAの合成はアミダイト法を用いることとした。平成21年度の成果は以下である。亜リン酸部位にdioxolenoneを有するチミジンの3'-ボスホロアミダイトユニットを合成した。さらにボスホジエステル部位をdioxolenone誘導体で保護したオリゴチミジル酸の、液相ボスホロアミダイト法による合成に成功した。市販の豚エステラーゼを用いてdioxolenone保護基が除去されホスポジエステルを与えることを確認した。即ち、本研究計画が実現可能であることを示唆する意義深い成果である。さらに、光反応性のリンカーを有するDNA合成用の固相担体を合成し、固相法によるdioxolenone保護オリゴチミジル酸の合成に着手した。Dioxolenone保護アミダイトユニットは、市販のDNA自動合成機を用いてオリゴヌクレオチド鎖中に導入されることを確認した。dioxolenone保護基を有するオリゴヌクレオチドを合成した初めての例である。Dioxolenone保護オリゴチミジル酸を、光照射により、固相担体から切り出すことに成功した。リン酸部位の保護基としてシアノエチル保護基とdioxolenone保護基が同時に存在するとき、シアノエチル保護基のみを脱保護する条件を検討した。
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