カンボジアは最も地雷被害の多い国である。地雷埋設数は約600万個といわれ、国土に対する地雷の割合は1平方マイルに対し142個と世界で一番その割合が高く、さらに、被害者の数は、236人に1人の割合であり、世界でもっと被害率が高い。カンボジアで被害者が多い理由は、地雷の多さとともに、識字率の低さと地雷回避教育の不十分さにある。したがって、地雷の知識を持っている者が少なく、それを教える教師も、教える機会も少ないのである。子どもたちが地雷被害にあい、命を落とすという状況は、一刻も早くなくさなければならない。 本研究は、カンボジアにおける子どもの地雷被害を減少させるために、現地調査に基づいた地雷回避教育教材の研究・開発を行うことにある。 ◆会議および資料収集 研究協力者との打ち合わせ会議を6月に行った。また、10月に地雷原調査結果の分析・検討会議、12月に地雷回避教育テキスト、教材の開発のための意見交換会議を実施した。地雷に関する資料収集を国内で実施した。 ◆地雷原の調査 カンボジア、ポイペト近郊における地雷原の現地調査を実施した。未だに多くの地雷原が存在しており、その除去作業も現在ほとんどお紺割れていないことが明らかになった。それに関する報告書を作成した。 ◆地雷被害の調査をポイペット周辺部で実施した。未だに多くの住民が地雷被害を被っている実態が明らかになった。報告書を作成した。 ◆地雷回避教育教材の研究開発 地雷回避教育教材の開発を行った。地雷の種類および地雷原の危険性をあらわした小冊子を開発した。小学校低学年にも理解できるような分かり安さを前提とした教材を作成した。
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