平成21年度は、日本のレスビアンを対象に妊娠・出産(子育て)に関する調査を実施することを目指し、当事者団体へのフイールドワークを展開した。具体的には、主に都市部にある「(東京・天阪)当事者団体り会合に参加し交流した。主な研究交流団体は以下のとおりである。 1) 共生社会を作るセクシュアルマイノリティ支援全国ネットワーク 2) パートナーシップ法制定を目指す超党派市民の会準備会 3) 女性とクイアのための情報センター 4) 同性愛者医療・福祉・教育・カウンセリング専門家会議 また本研究に関連ずるものとして、研究者がこれまでに行ってきた女性同性愛者に関する先行研究の結果の公表も併せて行った(表11参照)。 こうした研究活動を通じ、レズビアンがART(生殖補助医療)を用いて妊娠・出産するという現象に触れる本研究にとり、生命生殖倫理や性的少数者を対象とした研究倫理の検討が必須となることが明確になった。このため日本国内で最先端の倫理に関する議論の場として、以下の機関を通じて識者と交流を行った。 1) クィア学会研究倫理ガイドライン(仮称)検討ワークショップ 2) 代理出産を問い直す会 以上のように、今年度の研究活動はフィールドワークを中心に行い、日本国内には、本研究分野における倫理的指針は未だ規程がないことが明らかとなった。平成22年度は米・豪の倫理研究を踏まえ研究計画(調査の実施)を遂行していく方向性を明確にすることができた。
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