平成22年度は、日米豪のレズビアンの妊娠・出産(子育て)の現状を比較するため、文献検討を行った。 参照したデータベースは、日本語文献は医学中央雑誌とCiNii、 OPACを、英語文献はMedlineとCinahlを用いた。これにより、以下の3点が明らかとなった。 (1) 米豪のレズビアンの中では今後子どもを持つ際にはAIDによる人工授精を望むものがほとんどであること。 (2) 妊娠・出産するレズビアンに対する周産期スタッフには、文化的寛容性が重要であること。 (3) 米豪のレズビアンが子を持ち育てることには、その国(州)の法や条例が重要なことこの結果を参照にしつつ、本年はレズビアンの子育てが子の福祉に反するという結果はないという研究成果についての報告を、一般市民向けに公表(下記13Webにて)し、女性同性愛者の性交渉に関する先行研究の結果の公表も併せて行った(表11参照)。 次年度は、21年度に行った国内の倫理的問題の検討、22年度の米豪の上記傾向を踏まえて、国内外でデルファイ法による調査を行うことと、22年度の文献レビューの結果を論文として発表することを、計画している。
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