研究概要 |
以下の主題を中心に研究を進めた。 1,観相譚・観相表現の発掘と分類 日本・中国の観相譚を中心に、「重瞳」の異相に関わる言説の採集と分析を行った。また、聖徳太子の観相について、平成22年度まで研究分担者であった渡辺信和氏の資料をもとに、聖徳太子伝注釈書の分析を進め、その言説と相書との比較・分析を行った。 2,観相資料と知識体系の理解と把握 日本および台湾・中国において古典的相書資料の入手を行った。また、観相の具体例を取材するために、台湾と香港における観相の取材を行った。 3,古典絵画を対象とする観相の実践 前年度に行ったSD法に基づく感性分析のアンケート調査結果を修正して新たに衣装の描かれていない肖像を作成して再調査を行った。 4,研究をサポートするためのデータベースの構築 相書に描かれる身体各部位の相を集成した、トピックマップを使用したオントロジ分析型データベースは、文字列の部分一致を使用したインターフェイスが可能になって、さらに利便性が向上した。また、『麻衣相法』のデータを追加したことにより、日本・中国における最も多用された相書の古典を網羅することができた。 5,研究ネットワークの構築 AASにおける研究発表を通じて、在米台湾人研究者とのネットワークを持つことができ、研究動向の紹介と研究情報を得ることができた。また、韓国人研究者との交流により、韓国における観相の情報を得ることができ、今後、調査や研究交流を進める可能性が開けた。
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