研究課題
平成22年度は以下の調査を行った。1.平成22年6月11日より6月15日まで、韓国ソウルの慶煕大学で開催されたフランス研究合同大会にオブザーバーとして出席。本大会は韓国の文学・言語・文化・芸術の諸分野にわたる合同学会であり、韓国におけるフランス受容のありようを探るには大変興味深いものであった。大会後女子大学の名門梨花大学を訪問し、知見を広めた。2.平成22年7月5日より7月15日まで、フランスに赴き、パリとアルベールヴィルで、以下の人々と面談して、貴重な示唆と情報を得た。パリでは中国人の学士院会員フランソワ・チャンとノーベル文学賞受賞者の高行健である。チャン氏には高齢で治療中であるにもかかわらず、治療の合間に自宅に招かれ、貴重な意見交換をすることができた。高氏は、国際ペンクラブの招きで、9月に日本へ初めて行くとのことであった。祖国中国との政治的トラブルもあり、表現言語もフランス語に移行しつつあり、現代中国文学の一翼を担う存在として、特異な境地に立っているように思われた。またアルベールヴィルではソウルの成均館大学校名誉教授キム氏を訪ね、氏の所蔵する韓国におけるヴァレリー研究の古い文献や研究書に触れることが出来、有意義な意見交換をすることができた。3.平成23年1月14日より1月28日まで、武漢-南京-上海と回って、武漢大学、華中師範大学、南京大学、復丹大学などの名門大学の仏語科を歴訪して、中国における仏語・仏文教育の実地調査をし、見聞を広めた。このうち南京大学は政治力のある有名教授がおり、国費による仏国派遣留学生の選抜などの実権を握っているようで、大学院の試験のハードルも高いと聞いた。また国際都市上海ではより本格的な文学研究をめざす若い世代の研究者が育ちつつあるように思われた。
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ふらんす
巻: 85巻-6号 ページ: 75
すばる
巻: 5月号 ページ: 182-192
巻: 7月号 ページ: 160-166
三田文学
巻: 夏季号 ページ: 118-129
Paul Gifford & Tessa Hauswedell (eds.) Europeand its Others-Essays on Interperceptions and Cultural Identity Studies, Peter Lang
巻: シンポジウム論文集 ページ: 277-289