研究課題
本研究の目的は、今日の免疫学の視点を文化学に導入し、文化の主体のありかを、コミュニティ内部から排除され、周縁に置かれた「インミュニティ(免疫)=アジール」にあると措定することで、マクロ・中央集権・リアリズムの世界観を、ミクロ・周縁・虚構=無視・排除されたものの方から逆説・異化し、新しい文化学創成のための一つのモデルを示すことである。この研究目的を最終目的とする昨年度の目的は、文化免疫学の理論構築とその方法の確立のための一年と位置づけ、1で挙げた先行研究等を中心に理論構築に必要と思われる研究書の精読、分析を行なったあとで、基礎理論の大まかな見取り図を作成することが21年度における主な取り組みとすることであった。その成果は以下に示す、二つの刊行物によって開示された。1) 「桑田桂祐と夏目漱石の『鎌倉物語』、駆け込み巡礼歌-縁切寺・『東慶寺』という磁場、<縁>を<無縁>で結ぶ原理」(佐賀大学文化教育学部研究論集 第14集第12号、2010年)2) 『周縁学-<九州/ヨーロッパ>の近代(モデルネ)を掘る』(木原誠編著、昭和堂、2010年)「周縁(ケルト)の詩魂/煉獄の記憶-アイルランドの地霊が宿る場所
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件)
佐賀大学文化教育学部研究論集 第14集第2号
ページ: 229-238
ページ: 221-237
インターカルチュラル(日本国際文化学会年報) 第8号
ページ: 2-7
周縁学-<九州/ヨーロッパ>の近代(モデルネ)を掘る(昭和堂)
ページ: I-IV, 1-10.16-18, 231-261