本研究の成果は、今日の免疫学の視点を導入し、文化の主体のありかを、コミュニティ内部から排除され、周縁に置かれた「インミュニティ(免疫)=アジール」にあると措定し、マクロ・中央集権・リアリズムの世界観を、ミクロ・周縁・虚構=無視・排除されたものの方から逆説・異化し、文化学創成のための新しい一モデルを提示したことに求められる。対象東西地域は、比較文化学の視点から重要と考えられる1 :我国最古の駆込寺の伝統をもつ東慶寺・鎌倉2 :ヨーロッパの極西・アイルランドの周縁に位置し、ヨーロッパ煉獄伝説発祥の地、オクシデントの表象、ドニゴールに絞り、調査、分析、検証を行った。
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