研究概要 |
(1)専門分野に特化した「レキシカル・バンドル」の抽出を行うには,その分野の電子化された資料が不可欠である。平成21年度は、類似の研究を行っている研究者の資料収集方法を学びつつ、大規模な資料収集の方法を検討し、一部の専門文献の収集を行った。 (2)コーパスを用いた「レキシカル・バンドル」抽出に関する研究は,まだその歴史が浅く,文献も多くない。「レキシカル・バンドル」はコロケーションを拡張した概念であるから,コロケーションに関する概念整理と「レキシカル・バンドル」との相違を明らかにするべく,文献調査を行った。更に、2009年11月に、関連した研究をしている研究者をビャウィストク大学に訪ね、同大学において講演会ならびに研究者との意見交換会を実施した。2010年3月には、「定型表現」(formulaic sequence, formulaic language)に関する会議にも出席し、同会議参加者との意見交換を行った。 (3)「レキシカル・バンドル」の抽出には,n-gramというツールが有益である。これは,コーパス中から,2回以上,出現する2語以上の連鎖を網羅的に抽出するコンピュータ・プログラムである。平成21年度には,そのツールを用いて、一般英語および一部の学術英語に関して、「レキシカル・バンドル」の抽出を行った。同時に、工学系の文献も調査しつつ、使い勝手が良く高速に機能するn-gramツールが備えるべき要件を検討した。 (4)研究代表者の滝沢は、レキシカル・バンドルに重点を置いた記事を、朝日新聞社刊行のAsahi Weekly紙上において連載(隔週連載)した。連載のタイトルは「コーパスで学ぶ本物の英語」である。
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