平成23年度は、これまでに収集した専門論文のデータの処理と、研究成果の発表に力点を置いた。 (1)まず、同僚の藤村逸子教授(名古屋大学)と共に、『言語研究の技法-データの収集と分析』の編集を行い、ひつじ書房から出版した。代表者の滝沢、そして分担者の山下が執筆に加わった(2011年12月出版)。 (2)所属する専攻と本科研を含む複数の科研プロジェクトの主催で「言語研究の技法:脳・視線・音声・コーパス」という公開シンポジウムを行った(2012年1月28日、名古屋大学)。そのシンポジウムにおいて、滝沢は「コーパスと慣習的・周辺的言語現象の記述」というテーマで発表を行った。前半の「慣習的言語現象」の箇所が本研究と直接関係する内容である。また、分担者の山下は「反応時間を使った第二言語のコロケーション習得研究」というテーマで発表を行った。 (3)滝沢は、電子情報通信学会の「思考と言語研究会」から招待を受け、「英語表現・英語構文とコーパス」というテーマで招待講演を行う(2012年2月4日)と共に、その内容を論文集に掲載した。「英語表現」に関する部分が本科研の成果の一部であり、平易な単語から構成されてはいるが、なかなか学習者自らが使うことが難しい英語表現に力点を置いた内容であり、大学生の表現力向上を主眼に置いたものである。 (4)プログラミングに長けた元・大学院生に依頼し、巨大な電子資料から高速に情報を抽出するシステムの開発を行った。これまでのツールは、巨大な資料に対しては十分な速度を発揮できないという問題点があったが、今回、開発したツールを用いれば、ストレスを感じることなく巨大データを扱うことができる。 (5)平成22年度に引き続き、専門論文からのLexical Bundleの抽出につとめた。
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