研究課題/領域番号 |
21652069
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
水野 勲 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (50209764)
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研究分担者 |
吉岡 由希子 目白大学, 短期大学部・生活科学部, 講師 (10433872)
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キーワード | ドイツ / ナチズム / 帝国文化院 / 芸術家 / 芸術政策 / 文化政策 / 宣伝省 / 知識人 |
研究概要 |
地図は人文・社会・自然の諸事象を2次元平面に写像したものであり、現実の選択的抽象(または構成)である。しかし、近年では、ライフヒストリーの聞き取り調査、ランダムサンプリングによる大量個人データ、マイノリティなど社会的弱者の調査といった、地図と匿名性が対立する質的調査がさかんになっている。地図と質的調査、地図と個人は、相容れない関係にあるかに思える。しかし、地図はまず、作製者の関心(利害)によって、さまざまに作られることに注目した。したがって、地図に何を描くか(何を描かないか)、どのように地図を表現するかという地理的想像力にかかわる問題を、地図史から学ぶと同時に、本研究の各分担者の個別研究から考察することにした。 今年度は、定例の研究会で、英米圏地理学における質的GISの研究動向のレビュー、研究分担者個々の事例研究に見られる地図と匿名性の問題の整理を行い、検討すべき論点を明らかにした。まず質的GISの研究動向では、地図の作製者と地図に描かれる地域の住民とのコミュニケーション、社会学・人類学におけるグラウンディド理論を用いた質的データの地図表現、社会的・空間的ランダムサンプリングの方法論的差異について考察した。また、近年の地理学における実証研究で用いられている地図表現について、雑誌論文を中心に収集し、何が描かれ(何を描かず)、どのように描いているかを調査した。 以上の検討により、小地域統計の地図化におけるマイノリティ集団の問題、パネルデータの地域的代表性の問題、小説にみられる地理的記述(地図表記なし)の可能性について、具体的な課題を設定して、次年度の研究につなげた。以上の成果の一部は、学会にて報告した。
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