本企画は東アジアにおける鎮守の杜(モリ)を植物学や人文学の研究者が学際的共同調査を行い、「杜」文化を多角的な視野から模索し、杜(モリ)の文化研究分野の「知」と「学」の布石とするものである。東アジアの杜(モリ)を「図鑑」の形へとデータベース化して様々な研究の「知」として活かすものである。「学」の布石は、杜の生態象徴と空間変遷を持続の視点で、理論を構築、成果を刊行などの形式で、鎮守の杜の研究分野の「学」として確立する。即ち、共同調査の成果を『文化誌的図鑑』へと収斂させ、書籍の形だけではなく、CD-ROMをもちいたデータベース化の成果を今後予定される定点調査等、様々な研究の「知」へとむかわせる。これら基盤資料に基づき、生態象徴と持続保全の理論を構築して、「杜」の文化の再構築を狙い、「杜」の生態環境や「杜」をめぐる祭礼等を映像化していく作業を進める。 これまでの実施状況は、2009年度における一次的調査約90カ所(台湾30カ所、韓国30カ所、日本30カ所)がすでに終わりその調査表の作成を行い「東アジアの鎮守の杜の文化誌的図鑑」のデータベース化進んでいる状況である。今後、韓国語、中国語それぞれ言語で作成された調査表の翻訳を2010年7月末まで完成させる予定である。また、60カ所の調査の追加や調査データの再確認等の2次調査を2010年9月末まで終了させて、2010年12月まで全ての調査地(約150カ所)の調査表のデータの処理の完成を予定している。そして、未来へと託す資料であると同時に、近代化・都市化で薄れていく「杜」の文化を世界に発信して、杜の文化の「知」と「学」の基盤をつくりたい
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