本研究では、物流イノベーションによるサプライチェーンの構造変化について検討した。その結果、物流企業が有事や平時における社会的課題を認識し、事業継続性の観点からライフラインとしての高い地位を確立していくプロセスの中で物流イノベーションが起こり、そこに物流の戦略的優位性の源泉が存在することを整理した。そのような分析の下、物流企業の戦略行動として3つの方向性に纏めた。具体的には、第1に総合化、第2に専門化、第3に新たな事業機会の創造である。どの戦略行動も卸売、小売との関連性があるため、サプライチェーンの構造変化に影響する状況を把握することができた。
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