研究概要 |
本研究は、20年間の追跡調査と介入研究により、「科学的な根拠に基づく当事者共創型コミュニティ・エンパワメントプログラムの開発と評価」を目的とした。平成22年度には、下記の研究を行った。 1.フォーカス・グループ・インタビュー推移分析に基づく当事者共創型コミュニティ・エンパワメントプログラムの開発 公民館、地区集会所、老人クラブ、小中学校、保健センター、子育て支援センターなどで、世代間交流を促進するコミュニティ・エンパワメントプログラムの当事者ニーズと内容を抽出するため、当事者および専門職に対するフォーカス・グループ・インタビューの結果より、推移分析を行った。 「楽しさ」「共感」「ともにつくる」をキーワードに実際の経験、当事者ニーズ、体験に基づく重要項目などなどを討論の柱として、具体的な内容を詳細に、できるだけ数多く収集した。 2.追跡データを活用したコミュニティ・エンパワメントプログラムの効果評価 平成元年~20年に実施したのべ80,000名の調査対象者の中から、これまでのプログラム参加者を抽出し、非参加者と比較しながらさらに経年的な精神面・身体面の効果の軌跡と関連要因を分析した。 3.国内外のコミュニティ・エンパワメントプログラムに関する系統的レビューとエビデンス・テーブルの構築 「コミュニティ・エンパワメントプログラム」の開発過程、内容、評価に関する海外先進機関の訪問調査、既存研究の系統的レビューとエビデンス・テーブルを構築した。米国とカナダにおいて開発研究を実施している研究機関を訪問し、情報交換と情報収集を行った。 4.当事者共創型コミュニティ・エンパワメントプログラム試案の作成 上記1~3を活用し、臨床的重要性と統計的妥当性を加味しながら、有効な項目を抽出して体系化し、当事者共創型コミュニティ・エンパワメントプログラム試案を作成した。
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