研究課題/領域番号 |
21653059
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
柿本 敏克 群馬大学, 社会情報学部, 教授 (70269257)
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研究分担者 |
細野 文雄 群馬大学, 社会情報学部, 助手 (10261827)
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キーワード | 環境政策 / 社会的アイデンティティ / 仮想世界ゲーム / 集団状況 / リアリティ / 電子版の開発 / データマイニング / 言語的変数 |
研究概要 |
本年度の目標の達成状態は次のとおりである。 (1)インターフェイスの開発・改良 本年度の成果として、プロジェクト全体の目標の一つであった、集団間関係研究の新しい方法としての「仮想世界ゲーム電子版」の開発が概ね完成し、現在、その普及と全国的研究組織を企画する段階に入った。具体的に述べると、これまでに試作した仮想世界ゲーム電子版のシステムを使って、今年度の目標であったプレーヤーと進行係にとっての操作性の向上を図った。小規模な予備実験による操作性の調査に基づき改良を行い、ほぼ満足できるレベルにまで仕上げることができた。 (2)集団状況のリアリティ形成要因の特定 これまでの仮想世界ゲームから得られたデータを使い、集団状況のリアリティ形成モデルの作成を試みた。データマイニングの考え方を応用し、多数の変数の中から集団状況のリアリティの指標に影響を及ぼす変数の候補として、「集団状況へのコミットメント」と、「集団活動への実際の参加」の度合を選び出し、それらが集団のリアリティを生起させるというモデルの妥当性について検討した。この2変数が重要であることの示唆を得た。また、集団状況のリアリティを構成する要因として、言語的諸変数に注目し、発話回数の効果を調べたが、それらとリアリティの指標の間に有意な関係を見出すことができなかった。発話対象人数、発話内容などの他の言語的変数について、引き続き分析を行なう予定である。最後に、環境配慮行動を指標として、従来の仮想世界ケームとその電子版とを集団状況のリアリティという観点から比較した。環境配慮行動に関しては、集団状祝以前に、モノ自体のリアリティの違いが、異なる影響をもたらすことが示唆された。
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