研究課題/領域番号 |
21653061
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)
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研究分担者 |
岩満 優美 北里大学, 大学院・医療系研究科, 教授 (00303769)
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キーワード | 描画 / 言語ブロトコル分析 / 臨床社会心理学 / 画接調査 / 野外調査 / 特異値分解 / 画像解析 / 数野モデル |
研究概要 |
本研究は、描画と言語プロトコルを、従来の研究ように、評定者が評定して統計解析するという種類のものではなく、描画と言語プロトコルを無限次元空間内のベクトルとして捉えて数学的解析を加え、評定者の解釈が一切入らない形で分析を行うものである。そのため、臨床場面などでも描画と言語プロトコルのより客観的な分析が可能となると期待できる。 昨年度は、描画像を、スキャナーを用いて計算機の画像に描画を取り込み、言語プロトコルは、単語の頻度情報から、局所的エントロピーと大域的なエントロピーから重要度行列を作成し、その行列を同時に特異値分解する方法を開発したが、本年度から、フーリエ解析法やウェーブレット法の適用を試みた同時分析を検討している。また、臨床的観点を援用して社会心理学における新しい描画と言語プロトコルの取り扱いを探索するために、臨床心理学者、精神医学者からの定性的評価も参考にして、分析を行った。 本年度は、精神病院の精神疾患患者のデータだけでなく、対照群となる丼年齢の一般市民にも描画調査を行った。また、他の身体的疾患の患者にも描画テストを行った。さらに、絵の体験が描画に影響を及ぼす可能性があるので美術大学生や芸術関係の仕事をしている成人に描画調査を行った。研究協力者としてスエーデン国立ストックホルム大学、ロシア国立サンクトペテルブルグ大学での描画とプロトコールを収集した。また、事例収集として、歴史的な民俗資料における描画や言語プロトコルを収集し、定性的分析を行った。 また、描画と言語プロトコルの分析によって得られたパラメータを、状況依存性を仮定した意思決定モデルに組み込んで、調査に得たデータをもとに、選好と意思決定の予測を行い、提案する手法の有効性を確認した。
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