中学生における境界例心性把握し、自傷行為との関連を第1調査で行った。その結果を踏まえて、第2調査では境界例心性のある思春期の男女が、どのような行動や対人関係によってこの心性が表出されるのかを把握する目的で実施した。 公立・国立の中学校6校の学校長や他人の協力を得て、1500人余りの中学1年生から3年生質問紙調査を実施した。質問紙への回答は無記名で、生徒本人の協力意思が尊重された。集団配付で個別回収(各自が封筒に入れ、密封する)方法を採った。 調査票には、年齢と性別の他、「境界例心性尺度(17項目)」「行動化尺度(16項目)」「身体化尺度(20項目)」「親機能尺度(19項目)」「対人的信頼感尺度(16項目)」などで構成された。 本研究によって、思春期の男女が自信の確立していく際に向き合う問題とは異なる「境界例心性」が行動化や身体化、その問題の背景にある実態を把握する第一歩となった。今後は、自傷行為などの問題行動を予防するプログラムを構築していくこと礎となったと考える。
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