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2009 年度 実績報告書

統合失調症患者の治療アドヒアランス要因に関する共分散構造分析

研究課題

研究課題/領域番号 21653072
研究機関札幌医科大学

研究代表者

池田 望  札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (00274944)

キーワード統合失調症 / 治療アドヒアランス / リハビリテーション / 質的研究
研究概要

統合失調症の予後を決定する要因として「アドヒアランス」、つまり「治療的介入を患者自らが肯定的に選択し、その実践に主体的に参画していく程度」の重要性が注目されている。服薬アドヒアランスに関しては、精神症状の有無と程度、病識との関連が検討され、特に病識が主要な要因として指摘されている。本研究では、服薬だけではなく、リハビリテーションを含めた治療アドヒアランス要因を検索する。治療アドヒアランスには、家族の受け入れや社会的支援の有無など、様々な要因が影響している可能性がある。これらの要因とその強度、関連を明らかにすることにより、より効果的な治療的介入が可能になると考えられる。本年度は、比較的高い病識を持つ統合失調症患者数名を対象に、アドヒアランスに関連する事項(病気の理解や治療に関する考え等)を中心にインタビューを行い、その分析を通して要因候補の検索とそれに基づく治療アドヒアランス評価尺度の検討を行った。分析対象は統合失調症の診断を受けており、病識評価尺度であるSchedule for Assessment of Insight(SAI)で比較的高いスコアを示した4名(平均年齢40.0歳、平均SAIスコア19.8/20、男性2名、女性2名、内1名は当事者研究を経験)とした。Drug Attitude Inventory(DAI-30)平均スコアは20.5±5.5であった。インタビューから得られた逐語記録の質的分析から、治療活動を継続するためには、「病気であることの認識」「治療活動(服薬含む)による回復の実感」「治療者への信頼」「周囲の理解と支援」等が必要であることがうかがわれた。したがって、治療アドビアランス尺度の作成に当たっては、これらを要因として含む必要性が示唆された。なお、対象者が持っ「治療」概念の多くは精神症状の改善だけではなく生活の質を含む広い概念であったことから、ハビリテーションを含めたアドビアランスの検討には、残存する精神症状へのコーピングという視点も必要であることが示唆された。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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