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2011 年度 実績報告書

老視での読字を規定する要因: 日本語と英語の読み

研究課題

研究課題/領域番号 21653078
研究機関熊本大学

研究代表者

積山 薫  熊本大学, 文学部, 教授 (70216539)

研究分担者 森 周司  九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (10239600)
キーワード読字速度 / 文字認知 / 視覚探索 / 高速逐次提示法 / 文字サイズ / コントラスト / 老視 / 非母語
研究概要

【高速逐次提示法による画数の影響の検討】
老視によって小さい文字が読みにくくなることは経験的にも実証的にも知られているが、漢字を使用する日本語においては、画数の影響も考えられる。しかし、画数増大による単語認知速度の低下を報告している研究はみあたらない。ここでは、高速逐次提示法によって継時的に提示される3つの単語を読み上げる課題を用い、観察距離38cmで、文字サイズ0.474度の3文字単語を、2種類のコントラスト(25%,100%)で提示して実験をおこなった。単語には、ひらがな、漢字混じり語(画数少)、漢字混じり語(画数多)の3種類があった。その結果、老視者・非老者ともに漢字混じり語(画数多)では他の文字種条件よりも読字閾提示時間が長く、解像度の影響があると思われた。コントラストの影響は老視者において顕著で、画数が多いとコントラストの影響が増幅された。また、測定した眼の調節力をもとに老視者を2群に分けると、調節力の低下がそれほど顕著でない場合は健常視者と類似した読字の成績を示すことが分かった。
【母語と非母語の単語の視覚探索】
文字サイズやコントラストが老視者の読字に与える影響は母語よりも非母語の読みにおいて大きいという仮説のもと、視覚探索課題の反応時間を測ることにより、日本語(カタカナ)と英語の単語の読字速度を老視者と健常視者で比較した。画面上に提示した8個の単語を左から右へ探索し、ターゲットである非単語が存在するかしないかの判断を被験者に求め、反応時間を測定した。観察距離40cm、2種類の文字サイズ、2種類の輝度コントラストで実験を実施し、提示位置の関数として反応時間を各条件でプロットした。その結果、健常視者はどちらの言語でも文字サイズ・コントラストの影響をまったく受けないのに対して、老視者は文字サイズとコントラストが厳しい条件で読字速度(提示時間)が低下し、その低下は非母語である英語においてより大きかった。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Spatial attention and reaction times during smooth pursuit eye movement2012

    • 著者名/発表者名
      Seya, Y., Mori. S.
    • 雑誌名

      Attention, Perception & Psychophysics

      巻: 74巻 ページ: 493-509

    • DOI

      DOI:10.3758/s13414-011-0247-y

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Enhanced perception of various linguistic features by musicians : A cross-linguistic study2011

    • 著者名/発表者名
      Sadakata, M., Sekiyama, K.
    • 雑誌名

      Acta Psychologica

      巻: 138巻 ページ: 1-10

    • DOI

      DOI:10.1016/j.actpsy.2011.03.00

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 視覚と聴覚による音声知覚:言語/文化による差とその発達2011

    • 著者名/発表者名
      積山薫
    • 雑誌名

      認知科学

      巻: 18巻 ページ: 387-401

  • [学会発表] N-back task performance in older adults of various levels of cognitive and motor functions2012

    • 著者名/発表者名
      Kawagoe, T., Sekiyama, K., Aizawa, Y.
    • 学会等名
      10th Tsukuba International Conference on Memory
    • 発表場所
      学習院大学(東京)
    • 年月日
      2012-03-06
  • [学会発表] 多感覚コミュニケーションの発達的変化と可塑性2011

    • 著者名/発表者名
      積山薫
    • 学会等名
      第28回日本脳電磁図トポグラフィ研究会
    • 発表場所
      阿蘇ファームランド(熊本)(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-30
  • [学会発表] 認知過程の可塑性と発達的変化の諸相2011

    • 著者名/発表者名
      積山薫
    • 学会等名
      日本心理学会第75回大会シンポジウム「心の先端研究の現在と未来」
    • 発表場所
      日本大学文理学部(東京)(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-17
  • [学会発表] 色とフォントの組み合わせによる日本語文字の印象の変化2011

    • 著者名/発表者名
      本田達矢、廣瀬信之、森周司
    • 学会等名
      電子情報通信学会ヒューマン情報処理研究会
    • 発表場所
      沖縄産業支援センター(沖縄)
    • 年月日
      2011-05-24
  • [図書] 音声知覚における多感覚情報の統合認知心理学の新展開:言語と記憶(川崎恵里子(編))2012

    • 著者名/発表者名
      積山薫
    • 総ページ数
      21
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
  • [図書] 色、フォントが文字の印象に与える影響とその組み合わせ方「新製品開発における高級感・上質感・本物感の付与技術」(技術情報協会(編))2012

    • 著者名/発表者名
      本田達矢, 森周司
    • 出版者
      技術情報協会(掲載決定)
  • [備考]

    • URL

      http://www.let.kumamoto-u.ac.jp/ihs/hum/psychology/sekiyama/kaken.htm

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公開日: 2013-06-26  

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