研究課題/領域番号 |
21653087
|
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
橋本 伸也 関西学院大学, 文学部, 教授 (30212137)
|
研究分担者 |
廣田 照幸 日本大学, 文理学部, 教授 (10208887)
小玉 亮子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (50221958)
|
キーワード | 子ども / 保護 / 遺棄 / 比較社会文化史 / 福祉国家 / 新自由主義 / 児童保護 / 乳幼児保護 |
研究概要 |
本年度は、学際的比較史研究の前提として、諸学問分野における諸地域を対象とした研究動向の把握と方法論の確認に主眼を置くこととしたが、これに基づき、6月10日、11月1日、3月26-28日(後二者は比較教育社会史研究会と共催)の3回にわたって研究会を開催して、近世から近代にいたる日本、ドイツ・オーストリア、イギリス、フランスにおける「子ども」の保護・遺棄に関する研究動向の確認、文献一覧の作成などを実施した。これらを通じて、ディシプリンを異にする共同研究者間の課題と方法の共有をはかることができた。以上の成果は、ディスカッション・ペーパーとしてとりまとめて(『「子ども」の保護・養育と遺棄をめぐる学際的比較史研究(比較教育社会史研究会)ディスカッション・ペーパーWEB版』第1号)、後掲のURL(関西学院大学リポジトリ)で公開した。また、ドイツを中心としたヨーロッパにおけるローマ法から現代の生命操作にいたる「保護・遺棄」に関する法制史的展開についての概観を試みた。こうした成果もディスカッション・ペーパーとして刊行を予定している。 また、科研共同研究のもとに研究分担者・連携研究者をリーダーとして、福祉と教育をめぐる諸学問分野の若手研究者・大学院生の部会を設置して独自の研究会を4回開催した。そこでは慈善・救貧などに関する個別報告とあわせて関連文献の検討などを実施した。以上の研究活動の成果も、上記ディスカッション・ペーパーに収録・公開した。 「子ども」の保護・養育と遺棄の現代的展開を考察するための前提をなす「福祉国家と教育」に関する一連の問題群についても、研究期間直前の2009年3月27日に先行的に研究会を実施して、特に新自由主義との関連について検討を加えるとともに、11月には研究分担者である廣田照幸の著作の合評会を開催して検討した。
|