研究課題/領域番号 |
21653087
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
橋本 伸也 関西学院大学, 文学部, 教授 (30212137)
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研究分担者 |
廣田 照幸 日本大学, 文理学部, 教授 (10208887)
小玉 亮子 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科(研究院), 教授 (50221958)
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キーワード | 子ども / 保護 / 遺棄 / 比較社会文化史 / 福祉国家 / 新自由主義 / 児童保護 / 乳幼児保護 |
研究概要 |
今年度は、夏までに震災の影響で延期した活動を順次行った上で(2010年度実績報告に記載)、「子どもの保護・養育と遺棄」の前提としての福祉国家論について集中的議論を行った。2011年11月6日にお茶の水女子大学で研究会を実施し、橋本が「福祉国家と教育をめぐる論点の整理-主としてヨーロッパの文脈から」として、ヨーロッパにおける福祉国家の形成・展開過程を近世から現代までを見通して概括し、中野智世(連携研究者・京都産業大学)が「ドイツ社会国家論の再検討」と題して、ドイツにおける福祉主体としての国家と民間団体の関連について論じた。 また、2012年3月24日にはお茶の水女子大学で総括研究会を行い、「近現代世界における国家・社会・教育-「福祉国家と教育」という観点から」と題したシンポジウムを開催した。橋本の基調報告ペーパーに基づき、岩下誠(研究協力者・慶應義塾大学)「近代イングランドにおける教育をめぐる国家と社会」、沢山美果子(連携研究者・岡山大学研究員)「日本近世公権力による人口と『いのち』への介入」、前田更子(研究協力者・明治大学)「フランスにおける学校をめぐる国家・教会・社会の複合的関係」、秋葉淳(研究協力者・千葉大学)「オスマン帝国における近代国家の形成と教育・福祉・慈善」、小玉「ドイツにおける社会国家形成と児童保護政策」、内山由里(首都大学東京大学院生・研究協力者)「前世紀転換期イギリスにおける教育の政治空間」、長嶺宏作(日本大学・研究協力者)「戦後アメリカの福祉国家の失敗」、広田「福祉国家から新自由主義的転回なかでの教育政策と社会の変容」という研究報告を行い、討論を実施した。 3年間の共同研究の成果取りまとめのために、広田照幸・橋本伸也・岩下誠編『近現代世界における国家・社会・教育』および沢山美果子・小玉亮子・橋本伸也編『保護と遺棄の子ども史』の2冊の図書の出版計画を作成し、現在、執筆・編集作業が進行中である。
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