研究課題
本研究では、途上国における教育政策評価がどの程度の有効性をもって実施されているのかについて、国際的な教育開発援助のイニシアティブである「万人のための教育(EFA)-ファスト・トラック・イニシアティブ(FTI)」を事例として、同イニシアティブにもとづく教育政策の策定・実施状況がどのように評価され、その評価が次のサイクルの政策形成過程においてどのような形で活かされているのかについて、実証的に明らかにすることを目指している。とくに、FTI支援対象国であるベトナムやカンボジアといったインドシナ諸国に焦点を当てることで、途上国における教育政策評価がいかにして行なわれているのかについての具体的な検証を試みている。本プロジェクトの初年度である今年度は、幅広く教育政策評価についての指標のあり方などについて検討を加えた。その成果は、英文のディスカッション・ペーパーとして発表した。その作業を踏まえて、実際に評価指標が現地の実状に即したものとなっているのかどうか、また、政策形成過程でそれらの指標がどの程度活用されているのかといった点について、カンボジアにおいて現地調査を行った。現地調査の結果は、国際会議の場で口頭発表を行った。その研究報告の内容にもとづき、現在論文を執筆中であり、2年目以降に研究成果として発表する予定である。本研究の成果は、学術的な意義のみならず、国際機関や援助機関において活用されることも重要であると考えており、これまでに実務関係者との意見交換も積極的に行っているが、今後も研究成果の活用などについて幅広い立場の専門家たちと議論をしていく予定である。
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GSID, Nagoya Univeristy(Discussion Paper) No. 170
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