研究概要 |
平成21年度は,IAPCで開発されている「子どものための哲学」プログラムのテキストの中から理科,および社会科授業の中で論理学的推論過程として活用可能なトピックの洗い出しを行った。また,これまでに翻訳したテキストに加えてNOUSについても日本語翻訳した。さらに,アジア地区での「子どものための哲学」の第一人者である韓国のJinwhan Park氏と「子どものための哲学」プログラムの理科授業への導入について意見交換を行った。理科授業に「子どものための哲学」の中の論理学的推論過程を導入することの可能性,さらには,韓国での教科教育における「子どものための哲学」の活用の実情について調査した。 また,次年度に向けた具体的な研究作業としては,小学校5~6年生用の「ハリーストットルマイヤーの発見」の論理学的な要素とそのテキスト部分の徹底的な分析と同学年における理科の目標とのマッチングを進めた。加えて,小学校低学年(2~3年生)用の「オキとガス」のテキストについても検討を行った。このテキストは内容そのものが理科,および社会科的な要素を多く含んでいる.これらの導入可能性については,実際に授業実践をする小学校の教師の意見が不可欠である.次年度実践を予定している宮崎県の小学校の実態を調査すると共に,理科授業の試行を行った。なお,推論過程の評価についてはオーセンティック・アセスメントの評価理論を検証的に実践するとともに,評価ツールの開発に向けての枠組み作りを行った。
|