研究課題
1.研究代表者の舟木は、連携研究者の謝氏(信州大学)らとともに、2次元ヤング図形の時間発展モデルの非平衡揺動極限について調べた。舟木は別途、2次元ヤング図形の運動から、適当な時空のスケール極限を経て非線形偏微分方程式が導かれることを示しているが、ここではその非線形偏微分方程式の解の周辺の揺動を調べ、それが無限次元空間上のOrnstein-Uhlenbeck型確率偏微分方程式によって記述されることを予想し、その係数作用素を決定する方向で研究を進めた。得られた結果および予想は、英国ケンブリッジ大学アイザック・ニュートン数理科学研究所における研究プログラム「確率偏微分方程式(Stochastic Partial Differential Equations)」とそれに関連する研究集会等において発表した。2.連携研究者の乙部氏(信州大学)が行ったレビー型ノイズを持つ確率偏微分方程式やベッセル過程に対するシミュレーションに基づき、考察を行っている。3.研究分担者の俣野は、Allen-Cahn型方程式の平面波の安定性を論じた。すなわち、遠方で減衰する摂動や、概周期的な摂動のクラスを考え、摂動を受けた界面が空間全体で一様に平面波に収束することを示した。また、調和写像に付随した熱方程式の爆発問題を考察し、2次元円板から球面への調和写像に付随した熱方程式の回転対称解の爆発のオーダーが自己相似爆発よりはるかに速いことを示した。俣野はさらに、障害物にぶつかる拡散進行波、超臨界型非線形熱方程式の解の爆発等を調べた。
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http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~funaki/