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2010 年度 実績報告書

予測モデルとスケール不変性

研究課題

研究課題/領域番号 21654054
研究機関北里大学

研究代表者

守 真太郎  北里大学, 理学部, 講師 (70296424)

キーワード投票 / 集団知 / 群れ / 予測精度 / 確率モデル / 相転移 / 情報カスケード / ランダムウォーク
研究概要

成果は2つ。(1)2択のクイズなどに回答する場合、他者の回答を参考にすると回答が一方の選択肢に集中する情報カスケードが起こり、一人一人が順番に回答する場合、2次相転移することを理論的に予言した。秩序変数は正答率の分散または正答率が50%以下になる確率で、回答者に中のクイズの正解を知らない人の比率の関数として厳密にあらわした。無知な人の比率が50%以下だと、秩序変数はゼロだが、50%を超えると微分不連続で有限の値を持つようになる2次転移であることを示した。このモデルの状況を再現する投票実験を行い、人が他者の回答をどのように参考にするのか、また相転移をするのかどうかを検証した。まず、相転移については、無知な人の比率を正答率から推定して解析すると、70%前後で秩序変数がゼロからノンゼロに変化し、相転移していること。また、人は参考にする人数が増えるとその影響は非線形に増加し、5人程度で影響が飽和することがわかった。
(2)競馬ファン(集団知)の勝ち馬の予測精度を計算機による予測、競馬新聞の記者による予測(少数の専門家による予測)と比較を行った。競馬ファンの集団知の予測精度が最大で、専門家の予測より5ポイント、計算機による機械学習より10ポイント高いこと。また、得票率が1%を切り、オッズが100倍を超える所謂「万馬券」領域において、集団知の予想は非自明なグラデーションパターンを持ち、「得票率=勝率」が成立するほどではないが、馬の強さに応じて馬を順序づけているが、専門家や機械により予想では、そうしたパターンはなく、万馬券領域では勝ち馬はランダムに存在し、自明なグラデーションとなっていることを発見した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Phase transition and information cascade in a voting model2010

    • 著者名/発表者名
      久門正人、守真太郎
    • 雑誌名

      Journal of Physics A

      巻: 43 ページ: 315207-315219

    • 査読あり
  • [学会発表] 週間天気予報の予測精度とスケール不変性2010

    • 著者名/発表者名
      守真太郎
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2010-09-24

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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