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2011 年度 実績報告書

系外惑星を視野に入れた海洋大循環理論の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 21654066
研究機関九州大学

研究代表者

中島 健介  九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (10192668)

研究分担者 石渡 正樹  北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90271692)
キーワード系外惑星 / 地球流体力学 / 海洋大循環 / 惑星科学 / ハビタブル惑星 / アストロバイオロジー
研究概要

平成23・24年度を通して鉛直一層の理想化海洋数値モデルを構成し数値実験を行った結果、同期回転する系外惑星の全球を覆う海洋大循環の基本的力学について、以下の3点を明らかにすることができた。
(1)同期回転惑星における降水・蒸発はもっぱら昼半球で生じるが、海洋運動は全惑星を席巻した東西流となる。その理由は、局在する降水・蒸発によって励起される惑星規模波動が、気候学的な時間スケールのうちに東西に分散し、最後には東西一様な成分だけが残る、という惑星波動の力学による。この東西一様な流れの南北構造について数学的考察を加えた結果、流れの強さが時間の一次関数になる事など、数値モデル実験の結果を再現することができた。
(2)上で述べた東西流が最終的にどの強度で定常に達するかについて、海底摩擦を導入した考察を行った結果、我々の地球と同程度の表面温度を持つ同期回転惑星については、毎秒3センチメートル程度に留まることがわかった。これは一見、弱いように思われるが、海洋の全深度に及ぶものであるので、これによる昼夜半球の熱輸送は大気運動の寄与に匹敵することがわかった。
(3)風により駆動される循環もまた、降水・蒸発と同様、東西一様な流れを駆動するが、その強度は典型的には降水・蒸発が駆動するものの数十倍に達することが分かった。従って、これによる昼夜半球間の熱輸送は、大気熱輸送を大きく超える可能性がある。ただし、このように大きな海洋熱輸送が存在すれば、大気循環の構造も大きく影響を受ける可能性が高いことに留意せねばならない。
以上の結果は、海洋運動が系外惑星の表層環境ひいては生命存在可能性の決定において本質的な重要性を持つ可能性を強く示唆するものである。海洋循環の3次元構造、大気との相互作用、またこれに関わる海氷などの物理過程が重要な問題として残されているが、これらは将来の課題である。

現在までの達成度 (区分)
理由

23年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

23年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] A preliminary study on the circulation of an ocean covering a synchronously rotating planet2012

    • 著者名/発表者名
      松尾花枝
    • 学会等名
      American Geophysical Union, 2012 Fall Meeting
    • 発表場所
      San Francisco, California, USA
    • 年月日
      20121203-20121207
  • [学会発表] Atmospheric General Circulations of Synchronously Rotating Terrestrial Planets: Dependence on Planetary Rotation Rate2012

    • 著者名/発表者名
      中島健介
    • 学会等名
      Comparative Climatology of Terrestrial Planets
    • 発表場所
      Boulder, Colorado, USA
    • 年月日
      20120625-20120628
  • [学会発表] 同期回転惑星の海洋循環についての基礎的考察2011

    • 著者名/発表者名
      松尾花枝
    • 学会等名
      日本惑星科学会
    • 発表場所
      相模女子大学
    • 年月日
      20111022-20111024

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公開日: 2014-07-24  

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