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2009 年度 実績報告書

細胞・組織内酸素濃度計測のための蛍光・りん光同時発光プローブの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21655024
研究機関群馬大学

研究代表者

飛田 成史  群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30164007)

キーワードバイオセンサー / 酸素センサー / 発光プローブ / りん光 / 蛍光 / 細胞
研究概要

蛍光団(クマリン343;C343)とりん光団(イリジウム錯体BTP)を,リンカーとしてステロイドを用いて結合した化合物C343-Ster-BTPを合成し,まずアセトニトリル溶液中における酸素消光について検討した。その結果,溶液中では溶存酸素濃度の増加とともに,蛍光とりん光の強度比がStern-Volmer kineticsに従って変化することを確認することができた。一方,細胞膜のモデルであるDMPC脂質二分子膜中では,DMPCが1mM,C343-BTP濃度が数μMの条件でも,C343-BTPの凝集が起こり,蛍光強度,りん光強度ともに著しく減少してしまうことが判明した。そこで,膜内でのプローブの凝集を抑制するため,リンカーとしてステロイドの代わりにプロリンを用いたプローブC343-Pro4-BTPを新たに合成し,溶液中,脂質二分子膜中での発光特性を調べた。その結果,リンカーをプロリン4分子でつないだ化合物C343-Pro4-BTPでは,脂質二分子膜中における凝集が抑えられ,その結果,蛍光とりん光の消光を抑制することができた。さらに,脂質二分子膜中における酸素応答を調べた。マスフローメーターを用いて脂質二分子膜中の酸素濃度を変化させ,蛍光とりん光の強度比を測定したところ,溶液中と同じくStern-Volmer kineticsに従って蛍光とりん光の強度比が変化することを確認することができた。C343-Pro4-BTPは,酸素分圧が数mmHgから数10mmHgの範囲で蛍光とりん光の強度比が定量的に応答することから,細胞や組織の酸素分布を測定するための発光プローブとして有用と考えられる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Phosphorescent Light-emitting Iridium Complexes Serve as a Hypoxia-sensing Probe for Tumor Imaging in Living Animals2010

    • 著者名/発表者名
      Shaojuan Zhang, et al
    • 雑誌名

      Cancer Research (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Phosphorescent Light-Emitting Iridium Complexes Serve as a Hypoxia-Sensing Probe for Tumor Imaging in Living Animals2010

    • 著者名/発表者名
      Toshiyuki Takeuchi, et al
    • 雑誌名

      Proc.SPIE

      ページ: 75760B

  • [雑誌論文] りん光分子プローブを用いた癌環境イメージング2009

    • 著者名/発表者名
      飛田成史, 他
    • 雑誌名

      Medical Science Direct 35

      ページ: 538-541

    • 査読あり
  • [学会発表] イリジウム錯体の発光を用いた癌イメージング:(1)近赤外イリジウム錯体の開発と光物理特性2009

    • 著者名/発表者名
      根岸一也, 他
    • 学会等名
      2009年光化学討論会
    • 発表場所
      桐生市市民文化会館
    • 年月日
      2009-09-18
  • [学会発表] イリジウム錯体の発光を用いた癌イメージング:(2)水溶性イリジウム錯体の開発と光物理特性2009

    • 著者名/発表者名
      伏屋昌則, 他
    • 学会等名
      2009年光化学討論会
    • 発表場所
      桐生市市民文化会館
    • 年月日
      2009-09-18
  • [学会発表] 2波長発光検出型酸素濃度プローブ分子の開発2009

    • 著者名/発表者名
      山口祐司, 他
    • 学会等名
      2009年光化学討論会
    • 発表場所
      桐生市市民文化会館
    • 年月日
      2009-09-17
  • [学会発表] イリジウム錯体のりん光を用いた癌などの低酸素組織イメージング2009

    • 著者名/発表者名
      飛田成史, 他
    • 学会等名
      第4回日本分子イメージング学会学術集会
    • 発表場所
      学術総合センター
    • 年月日
      2009-05-14

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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