1、ナノパターン化基板の作製とAFM測定 天然マイカ上に金をスパッタ蒸着して得た金基板上に、シリカナノ粒子をテンプレートとして用いることでナノパターンを形成させると共に、その表面をチオール化合物で化学修飾した。得られた化学修飾ナノパターン化基板のAFM測定を行い、ナノパターンの形成の確認を行った。さらに、観測されたAFM形状像から、ナノパターンのサイズと分布を評価した。 ナノパターンのサイズと分布を制御したナノパターン化基板の作製を検討した。サイズはテンプレート用のナノ粒子のサイズを変えることで制御できたのに対して、分布の制御には至らなかった。 微量の被検体を含む溶液を上述のナノパターン化基板にキャストし、溶媒の蒸発よってナノパターン上に被検体を濃縮させることを検討したが、目的とする自動濃縮機能は得られなかった。 2、チオール化合物の設計・合成 被検体に対するナノパターン化基板の親和性を変化させるために、ナノパターン(または探針)の化学修飾に用いるチオール化合物の設計・合成を行った。金属イオンに対する特異的な配位結合能を示すことが知られている官能基のひとつであるジピコリルアミンを末端基としてもつアルキルチオール誘導体を得た。得られたチオール誘導体で化学修飾を行った。 3、検出下限の追求 ナノパターン化基板による被検体の自動濃縮の可能性を検討したが、目的とする機能を備えたナノパターン化基板を得るには至らなかった。
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