研究課題
今年度は下記のような研究成果が得られた。(1)金ナノロッド組織体の制御と分光特性評価(山田、連携研究者:熊本大学助教 桑原穣)金ナノロッドは大日本塗料(株)より入手した。ロッド表面をアルキルチオール類で交換し、長鎖アミンを含む水-有機二相系に加えて撹拌することにより、相間移動によって数十個程度の集合体を形成させた。異なる形状のナノロッドについて検討し、ナノロッドの形状に依存する配列構造をもつ組織体の形成が確認できた。(2)シリカ系樹脂の活用(山田、大学院生)シリカ系高分子であるコンポセランの有機溶液に金ナノロッドを分散し、一方向からガラス基板にキャストした。キャスト膜にアニール処理を施す前後で偏光吸収スペクトルを測定し、アレイ構造形成の有無を検討した。その結果、アスペクト比が33以上のものについて偏光特性が観測された。しかし、プラズモンバンドがブロードであった。そこで、アスペクト比8.5のものについて検討した。まず、溶媒の誘電率依存性を検討した結果、溶媒の誘電率に依存してプラズモンバンドのシフトが明瞭に観測された。すなわち、センサとして機能することを明らかとなり、透過方式のSPRチップとしての有用性が提唱できた。(3)単粒子膜の検討(山田、大学院生)気-液界面に金ナのロッドを分散した後、表面を圧縮し、ロッドをガラス基板にすくいとった。作製したロッド基板のプラズモンバンドを測定したが、非常に弱く、定性的解析に留まった。今後、より疎水化したロッドの開発が必要であることが分かった。
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Molecular Crystals and Liquid Crystals
巻: 539 ページ: 1[341]-4[344]
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Chemistry.Letters
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