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2010 年度 実績報告書

不斉中心を多数有する鎖状化合物の短段階合成

研究課題

研究課題/領域番号 21655035
研究機関早稲田大学

研究代表者

細川 誠二郎  早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (10307712)

キーワード不斉合成 / 天然物合成 / 遠隔不斉誘導 / 不斉素子 / 鎖状立体制御
研究概要

本年度は、著者が開発した遠隔不斉誘導反応の生成物に対して、二重結合の位置および立体選択的な還元を行って多数の不斉中心を有するポリプロピオネート鎖を短工程で合成することを試みた。
著者の開発したL-バリン由来のオキサゾリドンを有するシリルジエノールエーテルと、2-メチル-2-ブテナールとをルイス酸存在下反応させ、(2E,4S,5S,6E)-5-ヒドロキシ-2,4,6-トリメチル-2,6-ジエニル酸のイミド体を単一異性体として合成した。この化合物に対して、触媒としてRh(cod)(PPh3)2PF6を用いて1,2-ジクロロエタン中で水素添加を行ったところ、非共役二重結合のみ選択的に反応し、(E,4S,5R,6R)-5-ヒドロキシ-2,4,6-トリメチルオクト-2-エニル酸のイミド体を80%(ジアステレオ比12:1)で得た。
また、著者のキラルなジエノールエーテルとアセトアルデヒドとの反応成績体の水酸基を都市ル化した化合物に対して、エタノール中、-10℃にてアルミナ担持パラジウムを用いて水素添加を行ったところ、共役二重結合が反応した還元体を収率70%、ジアステレオ比6:1で得た。
以上のように、著者の遠隔不斉誘導反応成績体に対して接触水素添加を用いることにより、短工程で不斉点を多数有するポリプロピオネート鎖を合成できることが示された。特に、共役二重結合と非共役二重結合を区別して還元できることは、本方法が多様な立体化学のポリプロピオネート鎖の合成に適用可能であることを示している。

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公開日: 2012-07-19  

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