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2010 年度 実績報告書

フタロシアニンの凝集力を組み込んだ機能性分子ブロック

研究課題

研究課題/領域番号 21655036
研究機関財団法人名古屋産業科学研究所

研究代表者

融 健  財団法人名古屋産業科学研究所, 研究部, 上席研究員 (00163957)

研究分担者 柴田 哲男  名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40293302)
キーワードフタロシアニン / 二量体 / 分子ブロック / フッ素 / 三量体 / 薗頭カップリング / Glaserカップリング
研究概要

フッ素は,その特有な撥水撥油性によって分子構造を制御することが期待される。前年度は、3つのA_3B型トリフルオロエトキシフタロシアニンがベンゼンを中心として柔軟なスペーサーで連結された風車型フタロシアニンをクリック反応によって構築した。この化合物は,スペーサーにメチレン基があり柔軟性がある。今回、剛直な機能性ブロックとして機能する,ベンゼンを中心として剛直なエチンで3つのフタロシアニンが結合したプロペラ型分子を合成した。まず,薗頭カップリングを鍵とし,1,3,5-トリブロモベンゼンに対して,末端に一つのエチニル基を持つA_3B型トリフルオロエトキシフタロシアニンをPd(PPh_3)_2Cl_2,CuI,トリエチルアミンの存在下,THF中80℃で65時間撹拌した。反応は複雑な混合物となったが,丹念に精製を繰り返した結果,わずかながら、目的とするベンゼンを中心とした3つの剛直なエチニル基で連結した三量体プロペラ型トリフルオロエトキシフタロシアニンの生成を確認できた。TOFMSにて5397.97にピークを示したことから構造決定した。また、副生物として3551.32の分子量を有する化合物が得られ,これは2つのフタロシアニンが結合した二量体型のものであることがわかった。次に、さらなる機能性ブロックとして、2つのエチニル基を持つトリフルオロエトキシフタロシアニンが分子内の剛直な2つのエチニル側鎖で架橋環化したバタフライ型フタロシアニン(12アニュレン型)の合成を行った。鍵反応にはGlaserカップリングを用い、10%の収率で目的のアニュレン型二量体を得ることに成功した。TOFMSにて3593.88にピークを示したことから構造決定した。本研究で得られたフルオロフタロシアニン類は、特異な構造を有していることから、これまでにない物理的電気的性質を示すことが期待できる。

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公開日: 2012-07-19  

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