安定有機ラジカルをレドックス席として高密度に置換したラジカルポリマーを用いて、次世代メモリに位置付けられる有機ポリマーメモリの鍵物質を創出した。SOMOレベルを制御したポリマーを精密合成し、固体での電荷注入機構の解明をもとに、ON/OFF比10^5以上で繰返し耐久性および状態保持力高い不揮発性メモリ素子を試作した。印加電圧に応じてON/OFF状態が切り替わって状態維持する電気的双安定性を支配する因子を明確にし、全有機メモリの設計指針を明らかにした。具体的には、ラジカルポリマー層を電極で挟んだ構造の薄膜素子を用いて動作実証するとともに、ラジカルポリマーに期待される特異な電荷注入・輸送現象を分子構造と相関させて解明し、低電圧でも駆動するポリマーを創出した。
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