研究課題/領域番号 |
21655061
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
櫻井 武 金沢大学, 物質化学系, 教授 (90116038)
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研究分担者 |
片岡 邦重 金沢大学, 物質化学系, 准教授 (40252712)
瀬尾 悌介 金沢大学, 物質化学系, 助教 (10339616)
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キーワード | マルチ銅オキシダーゼ / CotA / 金属シャペロン / ホロタンパク質 / アポタンパク質 / CueO |
研究概要 |
マルチ銅オキシダーゼの有効な高発現系を構築することをめざし、大腸菌をホストとした枯草菌Bacillus subtilis由来CotAの発現を試みた。cspプロモーターによる低温誘導発現、lac及びT7プロモーターによるIPTG誘導発現をLB培地での培養で検討した結果、T7プロモーターでのIPTG誘導において細胞破砕液中のABTS酸化活性の上昇が確認された。この系に金属シャペロン様機能を有すると推定されるcotDの構造遺伝子部をcotA構造遺伝子下流に挿入した所、細胞破砕液中の総活性量が20U/L培地から133U/L培地へ増加した。嫌気条件下において、大腸菌内Cu^<2+>濃度が上昇(約100倍)したことから、培養条件の検討を行った。Terrific Brothを使用して微好気下で培養した場合、cotA単独発現時の総活性量は2200U/L培地に達したが、cotDとの共発現では収量は200U/Lに留まった。自然条件下に近い低銅濃度時には金属シャペロンが有効であるが、細胞内銅濃度が十分高い時には自発的な銅の取り込みによりホロ化すると推定される。そこで、精製CotDタンパク質の機能を探るため、大腸菌をホストとしたCotD発現系を構築したが、可溶性画分にはCotDと同定される蛋白質の発現が確認されなかった。更なるCotAの収率の向上を目指し、N末端へのtatシグナル付加による細胞外分泌も試みたが、菌体内への不溶体の蓄積が確認され、ペリプラズム画分への分泌は確認できなかった。他のマルチ銅オキシダーゼ発現系でのCotDの有用性を調べるため、漆ラッカーゼとcotDとの共発現系を、漆ラッカーゼの大腸菌発現系に共発現用低コピープラフミドにT7プロモーターによるIPTG誘導可能なcotD発現系を形質転換して検討したが、粗抽出液中において漆ラッカーゼ活性は確認されなかった。
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