• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

生体小分子の化学構造と生理機能を結ぶ弱い分子間相互作用の記述

研究課題

研究課題/領域番号 21655062
研究機関大阪大学

研究代表者

村田 道雄  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40183652)

キーワード脂質二重膜 / イオン透過性チャネル / 自己会合体 / 脂質ラフト / 分子複合体 / スフィンゴミエリン / コレステロール / 膜タンパク質
研究概要

生命現象は、生体分子間の弱い相互作用によって支えられていることが多い。例えば、膜を構成する脂質は一義的な化学構造を有する小分子化合物であるが、その集合体である脂質二重膜は特徴的な生物機能を有している。本年度の本研究は昨年度に引き続き、弱い相互作用を官能基ペアーと機能配座に基づく記述法を検討した。実験的には、脂質分子のNMRを測定することによって配座の解析を進めた。
本年度の研究では、脂質問の相互作用にかかわる官能基ペアーと機能配座を解明するために、スフィンゴミエリン(SM)の分子間相互作用を、固体NMR測定によって精査した。その結果、脂質ラフトが形成される条件において、SM分子の自由度は顕著に減少していることを初めて明らかにした。さらに、分子間相互作用に必要な水素結合形成に有利な配座を取ること、また、官能基ペアーとしては、水素結合供与体と受容体の両方として働くアミド基が最も重要であることを明らかにした。さらに、これらの結果を計算化学的に検証することに成功した。
次に、これらの相互作用を詳細に解析するために水溶性を向上させたコレステロール誘導体の合成を試みた。その結果、3位ヒドロキシ基にポリエチレングリコールを導入した誘導体が、脂質ラフトを比較的良好に再現することを見出した。この誘導体によりて、脂質二重膜のモデル系を用いた高分解NMR測定が可能となった。すなわち、通常のリボソーム膜では不可能であった水素核NMRスペクトルが、コレステロール誘導体を含む膜系で可能になるので、膜結合状態における脂質分子の活性配座解明が飛躍的に進亀むことが期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Conformations of spermine in ATP complex : The structural basis for weak bimolecular interactions of major cellular electrolytes.2011

    • 著者名/発表者名
      Maruyoshi, M., Yamaguchi, T., Demura, T., Matsumori, N., Oishi, T., Murata, M.
    • 雑誌名

      Chem.Eur.J.

      巻: 17(未定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lysine Proximity Significantly Affects Glycation of Lysine-Containing Collagen Model Peptides.2011

    • 著者名/発表者名
      Kitamura, A.; Matsui, M.; Konoki, K.; Matsumori, N.; Murata, M.; Kawakami, T.; Aimoto
    • 雑誌名

      S.Bioorg.Med.Chem.

      巻: (未定)

    • 査読あり
  • [学会発表] 分子複合体としての脂質二重膜2010

    • 著者名/発表者名
      村田道雄
    • 学会等名
      FIBER UECTURE
    • 発表場所
      甲南大学(兵庫県)(招待講演)
    • 年月日
      2010-07-03
  • [備考]

    • URL

      http://www.chem.sci.osaka-u.ac.jp/lab/murata/research/index.htm

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi